<公共図書館員のタマシイ塾>とは

なぜ「タマシイ」なのか?


太平洋戦争が勃発したとき、アメリカ合衆国内の日系人は、家々から追い立てられ、収容所に送られました。そんな日系人の子どもたちはきっと本を求めているに違いないと考え、収容所に子どもの本を送り始めた勇気ある司書がいました。 この司書には、間違いなく公共図書館員のタマシイがあったといえます。そして、このような活動こそ、そのときの子どもたちのもっとも切実な課題にこたえる「課題解決支援サービス」であったはず。
技術や知識だけでなく、このようなタマシイをもった図書館員を育てたい。図書館経営がそのような人材を見出すための場づくりをも視野に入れ、第2期を開講します。


(1)タマシイ塾がめざすもの

「この本、この知識は、あの人の役に立ちそう!」

利用者の課題発見や課題解決を支援することは、図書館サービスのおまけではなくて王道です。 <公共図書館員のタマシイ塾>は、異業種の達人や図書館の課題解決支援サービスのパイオニアを招き、そのワザだけでなくタマシイに学ぶ(真似ぶ)場を目指します。
(2)塾生の達成目標

a. 図書館がある地域の人々のニーズに合ったサービスをプロデュースできるようになること。

b. そのために地域のコミュニティと積極的に関わったり、課題を共有する図書館員(とその協力者)のコミュニティをつくったりすることを通じ、共に解決策をみつけていく力を身につけること。

c. ひとりでも始めることやリーダーになることを恐れず、最後までやり遂げる意志を持ち続けること。

(3)本塾の趣旨

a. 課題解決支援サービスを可能とする3つの能力を育てる

従来からの読書や生涯学習の支援に加え、今、公共図書館に求められているのは、住民のくらしや仕事、地域づくりに役立つ情報や資料を提供する「地域の情報拠点」となることである。さまざまな地域住民の課題解決を、図書館の資源をフルに活用してサポートする課題解決支援サービスは、そのための切り札と言える。
しかし、課題解決支援サービスの実践に必要な人材を育てるには、従来の図書館員教育では不十分と言わざるを得ない。そこで補うべきは何か。タマシイ塾第1期においては、二つの能力を重視した。一つは図書館員の中核的能力ともいうべき情報編集能力、もう一つは中核的能力を人々のニーズと一致させるためのマーケティング能力である。しかし、第1期を実施する過程において、もう一つの重要な能力に注目せざるを得なくなった。それは、アイデアをアイデアに終わらせず、チームワークによってしたたかに事業化していく能力、すなわちプロデュース能力である。第2期では、この3つの能力の育成を柱としつつ、それらを通じて参加者一人一人に公共図書館員としての魂(スピリット、アイデンティティ)を見出してもらうことをめざす。

b. 図書館評価を媒介に住民と図書館員のコミュニティを形成する

公共領域でのマーケティングでは、住民の主体的な参加による評価は重要な要素である。第1期では、利用者参加による図書館評価(「図書館の通信簿」)に着手した。本事業では、図書館評価を媒介とした、利用者と図書館員の相互教育によるコミュニティ形成の実験に本格的に取り組む。

c. 自立のためのビジネスモデルを開発する。

本事業への図書館振興財団からの助成は今期が最後である。そこで、第三期以降の自立のためのビジネスモデルの開発を本事業の中で実施し、緊縮財政の下で課題解決支援のための事業を図書館が展開する際のモデルケースを提示したい。
住民の課題解決に関する3つのフェイズ

課題解決支援サービスについて、本事業では、住民の課題解決に関する以下の3つのフェイズの全般に関わるものと想定する。

フェイズ1 課題への気づきと共有
  • 潜在的利用者に向けた情報発信・PR
  • 気づきをもたらす棚や展示の工夫
  • 「図書館リテラシー」(図書館を使いこなす能力)の向上

フェイズ2 課題の解決(狭義の課題解決)
  • 課題解決に使っていただける図書館になるためのブランディング
  • 新規サービス実現に向けたマーケティング
  • 利用者本位の課題解決支援を可能とする対人スキルの向上
  • 新規サービスを支えるための情報編集(蔵書と棚、目録、パスファインダー等)

フェイズ3 対話が生み出す学びとコミュニティ形成
  • 課題を共有する人々の間における解決に向けた社会的つながり(社会関係資本)の形成
  • 課題の共有を醸成する、よりゆるやかな社会的つながり(出版社・書店・古書店・作家・読者、企業、市民団体、自治体等)の形成
  • つながるための道具としてのインターネット等のICTの活用
(4)塾則
第1部 原則

1 講座ではなくコミュニティ

タマシイ塾は、単なる講座ではありません。すべてのメンバーが対等の関係で学び合い、教え合うコミュニティです。

2 タマシイ塾のメンバー

タマシイ塾のメンバーは、塾生と企画運営委員からなります。以下のように、役割は異なりますが、その関係は対等であり、塾生が教える側になることも、企画運営委員が学ぶ側になることもあります。

3 企画運営委員の役割

企画運営委員は、タマシイ塾の運営についての責任をもちます。

4 塾生の役割

応募し、企画運営委員会で選考された塾生は、タマシイ塾での学びの成果を、それぞれの勤め先をはじめとする図書館、そして図書館を利用するすべての人たちに還元する責任をもちます。

5 講師のタマシイに真似ぶ

タマシイ塾は、講師としてさまざまなゲストをお招きします。学びを超えて、真似ぶためには、講師の言葉だけではなく、その言葉を生んだタマシイに触れようとする努力が必要です。礼をわきまえつつも、貪欲になってください。

6 行動のためにネットワークをつくる

メンバーの「学び合い」も「教え合い」も、すべては図書館とその利用者のためです。学んだことも、行動に移さなければ意味がありません。学び合い、教え合うだけでなく、行動のために励まし合うネットワークをつくるための努力を惜しまないでください。

第2部 細則

未定